司法書士やまさき事務所

住所変更登記義務化と検索情報申出

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住所変更登記義務化と検索情報申出

住所変更登記義務化と検索情報申出

2026/08/11

2026年4月1日より、不動産の住所・氏名変更登記が法律で義務化されました。

これまで任意だった引っ越しや結婚に伴う登記手続きですが、今後は変更があった日から2年以内に申請を行わなければなりません。正当な理由なく怠った場合は、5万円以下の過料が科される対象となります。 

この義務化による国民の負担を軽減するために導入されたのが、画期的な新制度「検索用情報の申出(スマート変更登記)」です。本コラムでは、義務化のポイントと、手続きを劇的に楽にする「検索用情報の申出」の活用法を分かりやすく解説します。 


1. なぜ義務化されたのか?

日本の不動産登記簿には、所有者の「取得当時の住所」が残されたままになっているケースが数多くあります。これが原因で、いざ公共事業や災害復興を進めようとしても連絡がつかない「所有者不明土地問題」が深刻化していました。この問題を根本から解決し、登記簿の情報を常に最新に保つために今回の義務化がスタートしました。 

なお、法改正(2026年4月1日)より前に住所が変わっていた場合も、未登記であれば義務化の対象となりますので注意が必要です。 


2. 負担をなくす救世主「検索用情報の申出」とは?

引っ越しのたびに、わざわざ法務局へ変更登記を申請するのは手間も費用もかかります。そこで用意されたのが、「検索用情報の申出」という制度です。 

これは、あらかじめ自分の氏名・住所・生年月日・フリガナ(任意でメールアドレス)を法務局に届け出ておく仕組みです。 

  • 自動で登記が更新される
    届け出をしておくと、法務局の登記官が定期的に「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」を検索します。住所変更を検知すると、法務局から本人へ確認(メールまたは書面)が届き、了承すれば登記官の職権で自動的に登記が書き換えられます 
  • 費用は「無料」
    自分で申請する場合に必要な登録免許税(不動産1個につき1,000円)がかからず、手数料は無料です。
  • 義務を果たしたことになる
    この申出さえ済ませておけば、将来引っ越しをした際も、自動的に職権登記の対象となるため義務違反(過料)に問われる心配がなくなります

詳細な手続案内やオンライン申請は、法務省ウェブサイトの 検索用情報の申出について(法務省) から確認・手続きを行うことができます。 


3. 利用時の注意点と「落とし穴」

非常に便利な制度ですが、以下の2点には注意が必要です。

  • 売却やローン組換え時は「手動」が必要
    法務局による自動検索と職権登記は、リアルタイム(即時)ではありません。不動産を売却する際や、銀行から融資を受けて抵当権を設定する際は、その瞬間に最新の住所に書き換わっている必要があります。そのため、急ぎの取引がある場合は、これまで通り自身で(または司法書士に依頼して)変更登記を申請しなければなりません。 
  • 所有するすべての不動産を紐付ける
    全国に複数の不動産(自宅、実家、山林など)を持っている場合、1箇所の法務局でまとめて申し出ることができますが、申請時に漏れた不動産は自動変更の対象外になってしまいます。漏れがないよう、所有している不動産をすべてリストアップして申し出ましょう。


まとめ:早めの「事前申出」が安心への近道

住所変更登記の義務化は、すべての不動産所有者に関わる重要な法改正です。 

「うっかり忘れて過料になったらどうしよう」と不安に思う必要はありません。まずはオンライン(「Webブラウザからかんたん登記・供託申請」など)や書面から、「検索用情報の申出」を無料で済ませておくことをおすすめします。一度登録しておけば、将来の引っ越し時の「登記の手間」をまるごと手放すことができます。 

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